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    明治のサムライ―「武士道」新渡戸稲造、軍部とたたかう


    太田尚樹 OHTA Naoki   東海大学名誉教授
    1941年 東京生まれ。
    東京水産大学卒業。
    アメリカのサンフランシスコ大学、カリフォルニア大学バークレー校、スペインのマドリード大学に留学。
    1983年 東海大助教授、後に教授。
    2007年 定年退任、名誉教授。
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    森本辰男:新渡戸稲造博士追慕の言葉

    先生は『武士道』の美点を強調せず、寧ろその欠点であった人格(personality)、教養(culture)、社会性(sociality)を大いに強調された。先生は『武士道』によって外国人に日本の美点を知らしめたが、逆に日本人には人格、教養、社交性等を強調されたのである。

    P 9

    トーマス・カーライルの『衣装哲学』(Thomas Carlyle"Sartor Resartus")の影響

    彼がカーライルから学んだのは先ず第一に真面目(earnest)なもの、単に能力や小細工では成功しない、本当に真面目なものが最後の勝利を収めるとういことであった。
    第二に、人間はあくまでも剛気でなければらず、同時に優しさを持たねばならない。
    第三は、理想(ideal)と現実(real)とは峻別すべきものではない。理想の中に現実あり、現実の中に理想あり、両者は親しく相関連する。
    第四は、人生において重んずべきは、品行に非ずして人格(character)であるというこであった。

    P 52
    <備考・参照>





    Project Gutenberg
    Sartor Resartus: The Life and Opinions of Herr Teufelsdröckh by Thomas Carlyle

    新渡戸稲造の先輩:佐藤昌介

    新渡戸のアメリカ行きは、先に官費によるアメリカ留学を果たしていた札幌農学校第一期生佐藤昌介の、現地から来る手紙なども刺激になったようである。のちに北大初代総長になるこの佐藤は、盛岡藩士の子として岩手県花巻に生まれているからいわば同郷人であり、生涯に亘って新渡戸とは深い関わりを持つことになる。

    P 63

    新渡戸稲造のジョンズ・ホプキンス大学の学友:トーマス・ウッドロー・ウィルソン

    ところが入学してしばらくすると、稲造は思いがけない人物と学友になる。のちに第28代アメリカ大統領になる、トーマス・ウッドロー・ウィルソンである。

    P 68

    新渡戸稲造の思想系譜

    新渡戸の思想系譜を辿ると見えてくるのは、まずバイブルとカーラリイルである。その後はパーク、ベンサム、ミルといった英国政治思想に根幹を置いたと指摘されているが、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学時代の学友ウィルソンのNew Freedomに共鳴するところも多かったと考えられる。それらが一体となって、広い意味での東洋思想の上に、重層的に積み重ねられているのである。

    P 78

    新渡戸稲造の教え子たち

    そして第二次世界大戦後の民主主義を教育界、思想界、政界から支えた前田多門、安倍能成、田中耕太郎、森戸辰男、南原繁、矢内原忠雄らは総て、一高、東大時代を通じて新渡戸の影響を受けた教え子たちだったのである。

    P 79

    日露戦争の勝利がアジアにもたらした影響:ジャワハルラール・ネルーの言葉

    のちにインド独立後の初代首相になるジャワハルラール・ネルーは、こう記している。
    「アジアの一国である日本の勝利は、アジアすべての国々に大きな影響をあたえた。わたしは少年時代、どんなにそれに感激したかをおまえによく話したことがあったものだ」(大山聡訳『父が子に語る世界歴史』みすず書房)

    P 105
    <備考・参照>

    世界で読まれた『武士道』

    英文の『Bushido』がまずアメリカで出版され、次いで翌明治33年日本でも上梓された。その後はドイツ人カウフマンによってドイツ語に訳され、さらに印度方言語、ポーランド語、ボヘミヤ語、ロシア語、イタリア語、スエーデン、ノルウェー語などの言語に翻訳される。

    P 113
    <備考・参照>






    Project Gutenberg
    Bushido, the Soul of Japan by Inazo Nitobe

    新渡戸稲造の教育方針

    また課外講義、特別講義として、セイヤーの『アブラハム・リンカーン伝』を解説し、カーライルの『クロムエル伝』、『フランス革命』を説いたが、中でも若き日にもっとも愛読したカーライルの『衣裳哲学』、さらにカーライルが師と仰いだゲーテの『ファウスト』を論じた。とくに繰り返し説いたフレーズは、「謙虚な心をもって教養を積み、修養に努めるべきである」であった。

    P 142

    「良妻賢母の新意義」新渡戸稲造

    「善悪是非曲直の道は、男女の性を論ぜず、人として生まれた者には必ず履むべきもなりという教えこそ実際的ではありますまいか。女子としても確乎として独立した個性、即ちただ一人でも世を渡ると云ふ考へが真に必要であります」と、単なる良妻賢母を真っ向から否定している。

    P 182
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    Author:bookback
    1981年東京生まれ。静岡育ち。

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