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    ドラッカーの実践経営哲学


    望月護 MOCHIZUKI Mamoru     ドラッカー研究者
    慶應義塾大学経済学部卒業。大日本印刷、ダイレック、大日本運輸、DNPロジスティクスなどで勤務。2003年逝去
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    株式会社の原点は「オランダ東インド会社」

    膨大な人間の働く職場を生み出した、株式会社のしくみを発明したのはオランダ人である。世界で初めての株式会社は、1610年(慶長7年)徳川家康が江戸幕府を開く一年前、現在のインドネシア(当時はマレー諸島といっていた)につくられたオランダの東インド会社が最初である。

    P 16

    株式の売買の最初

    株式の売買は1612年(慶長16年)にアムステルダムの商品取引所で、さまざまな商品とともに売買されたのが最初である。

    P 19

    福沢諭吉と渋沢栄一の活躍:雇用創出

    明治以降福沢諭吉と渋沢栄一は会社設立に関するテキストを発行して、積極的に起業を奨めた。維新によって三千万人の人口のうち7%にあたる二百万人の武士が失業したから、仕事を作ることが最大の課題だったのだ。

    P 21

    企業を評価するモノサシ

    ROE(株主資本利益率、株主資本を使ってどれだけ税引き後利益を上げたか)
    ROI(投資収益率、投資した資本を使ってどれだけ税引き後利益を上げたか)
    ROA(総資産利益率、総資産を使ってどれだけ税引き後利益を上げたか)
    EVA(投資家が期待する配当なども盛りこんだ投下資本に対して、経済的な付加価値をどれだけ創造しているか)

    P 22

    上場企業のトップは、経営の専門職

    ドラッカーは、上場企業のトップは特権階級ではなく、オーケストラの指揮者と同じように、経営という専門的な仕事をする専門職にすぎないと定義している。
    したがって、年収の差はせいぜい20倍以内にすべきだといっており、ストックオプションにも反対だ。「株価が上がった時の儲けは経営者が懐に入れ、株価が下がった時の損失は会社がかぶる」というしくみはおかしいという。

    P 23

    岩崎弥太郎:三菱の発展の歴史

    日本で最初で最大の起業家で、オーナー経営者は岩崎弥太郎である。
    明治時代の初めに三菱を起こした岩崎弥太郎は、土佐藩からの汽船の払い下げを受けて汽船会社を作った。現在の日本郵船である。次に汽船で運ぶ荷物を確保するために単行の払い下げ受けて石炭を掘った。三菱鉱業(現在の三菱マテリアル)である。掘った石炭を国内だけでなく上海まで運んで売った。売炭部は後に三菱商事に発展する。

    P 29

    お客を作ることが企業の目的である

    ピーター・ドラッカーが『現代の経営』を記して、「企業の目的はお客をつくることだ」と説いてから半生記以上経つ。いまでは世界中のビジネスマンでこの有名な言葉を知らない人間は少ない。しかし実際にお客本位を実行している企業はほとんどない。

    P 45
    <備考・参照>

    利益は手間がかかって面倒なことから得られる

    お客が喜ぶサービスとは、売り手にとって「不便で手間がかかって面倒なこと」である。
    しかし、利益は不便で手間がかかって面倒なことからしか得られない。衣料品売り場で商品をハンガーで吊るして売っているのは売り手の都合である。手間をかけて1枚ずつ丁寧に平台に重ねて陳列すれば売上は上がるのだ。

    P 51

    イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊の言葉

    「売上が落ちた時は街に出て、そこに行き交う人を見る。その人たちがどんなものに興味を示すか、どんなものを手に取って見るか観察する。街は情報源であり、羅針盤だ」

    P 57

    売りやすいものを作る!

    「良いものを安く作る」のではなく、お客が何を求めているかをつかんで、お客が価値を認めて払う価格をつけ、売ってくれる販売店や販売員にとって売りやすくて儲かるしくみを作らなければモノは売れないのである。つまり、「売りやすいものを作る」のである。

    P 59

    価格は市場が決める

    価格はコストを会計して決まるものではなく、工場内で決まるものでもなく、市場で決まるものである。競争の激しい市場には「適正価格」もなければ「適正利潤」も存在していないのだ。信じれれなくともそれが現実である。

    P 60

    アサヒビールの改革:住友銀行の樋口廣太郎

    樋口社長は「企業の目的は売上高を増やすことではなく、どうすればお客に満足してもらえるかを考えることである」と言っている。

    P 71
    <備考・参照>

    お客の欲しいモノを作り、買い・売りしやすい仕組みを作る

    「作ったモノを売る」のではなく、売れる物を開発して、買ってもらうしくみを作ってから、販売活動を行うのが順序である。
    この順序が一向に理解されていないためにモノが売れず、さまざまな無駄が繰り返されているのである。
    イノベーションもマーケティングも目新しいことではなく、日本では徳川時代からすでに行われていたのである。
    世界最初の百貨店は17世紀の越後屋(現在の三越)である。

    P 91

    アメリカの経済学者シュムペーター「創造的破壊」

    経済を発展させる理論をはじめて展開したのは、イギリスのケインズと並ぶ二大経済学者の一人、オーストリア生まれのアメリカの経済学者シュムペーターである。
    ケインズとシュムペーターの間で「経済を発展させるのは政府か企業か」という論争があった。
    シュムペーターは、「経済が発展するのは、起業家が時代遅れになった古いサービスを破壊して、新しい生産性の高い製品やサービスへ入れかるからだ」と説明した。これがいわゆる「創造的破壊」である。

    P 93
    <備考・参照>





    マーケティングの第一人者:フィリップ・コトラー

    コトラーは「利益を上げることがマーケティングの目標だ」と言い、マーケティングの手順を次のように挙げている。
    1. 狙うお客、つまり市場を決める
    2. 何を売り物にするか、高級品を売り物にするのか、安全性を売り物にするのか決める
    3. 売り物に見合った価格をつける
    4. お客が買わなければならない理由と意味を考える
    5. どこで買えるか、品切れを起こさないようにするか、流通戦略を決める
    6. 最も安いコストでお客に届ける方法を決める

    P 112
    <備考・参照>





    営業マンに必要な知識

    営業マンに必要な知識は、お客に買ってもらうしくみをつくるマーケティングの方法論と手順、取引先が破綻した時に必要な改修の方法と手順である。
    教えてくれるテキストがないからである。

    P 140

    ウォルマートの創業者:サム・ウォルトン

    サム・ウォルトンは次のコトバを残している。
    「利益は固定客から得られるものである。固定客は不特定多数のお客とは違うから、ニーズ(潜在的に持っている欲求)をつかんで対応することができる」

    P 144

    ウォルマートの創業者:サム・ウォルトンの万引き予防策

    サム・ウォルトンが観察したところによれば、万引きを防ぐ簡単な方法として、やさしそうな年配の女性を雇って挨拶させれば誰も盗みを働かなくなるという。
    こういうことを並の人間は気がつかない。

    P 152

    リピート客をつくる

    出版社のダイヤモンド社が四年間にわたってサービス業の満足度を調べたところ、東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンのように、リピート客(何度も来てくれるお客)対策を行なっているテーマパークは利益率が高かった。一方、宝塚ファミリーランドや長崎オランダ村や向丘遊園地が閉園に追い込まれたのは、リピート客がほとんどいなかったことが原因と分かった。

    P 179

    新規の顧客よりも既存の顧客を重視する

    ということは、新規のお客を開拓するよりも既存のお客との取引を大事にして、既存のお客との取引を増やすことに力を入れたほうが賢明だということである。
    しかもお客が優良客(ひいき客)からファン(信者)のレベルになれば、長い間に沢山買ってくれる。コミュニケーションが良くなって取引が決まりきったものになれば、無駄な時間が減り、事務作業も減り、お客にかかる取引コストは大幅に減るのである。

    P 180

    やめる時期:コストではなく付加価値に注目する

    ドラッカーは、「まだ数年は寿命がある」と言っている時が、撤退を決断すべき時期だという。
    「まだ数年は寿命がある」という表現には、「まだ数年は生きていて欲しい」という願望が入っており、実態はすでに死にかけている状態なのである。
    P 222

    ジリ貧、行き詰まりに対して

    そうならないためには、「時代遅れになって儲からなくなった事業や活動をやめること」をシステム化することが必要である。
    「時代遅れになった事業や活動をやめること」をしくみとして組織の中に組みこまない限り、企業はいつまでたっても新陳代謝をすることができないからである。
    儲かっていない事業や儲かっていない活動をやめるしくみを作れば、短期間のうちにめざましい成果を挙げることができる。

    P 224
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    Author:bookback
    1981年東京生まれ。静岡育ち。

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