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    入門 著作権の教室


    尾崎哲夫 OZAKI Tetsuo     大学教授
    1953年 大阪府生まれ
    1976年 早稲田大学法学部卒業
    2000年 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科終了
    松下電送機器にて勤務後、近畿大学教授
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    知的財産法

    たとえば、本は有体物であり、手に取って触れることができます。しかし、その中身は誰かの創作した小説、評論などで、無体物です。有体物は民法で保護されますが、その中身まで民法では保護できません。そこで、これらの経済的利益を実際に生む中身である無体物を保護するのが知的財産法なのです。

    P 13

    知的財産

    知的財産とは、あくまでも利用時に経済的な価値を持った情報であるということに注意して下さい。

    P 13

    知的財産権保護の正当化根拠

    1. 市場における公正な競争秩序の維持
    2. 創作活動の促進(インセンティブ論)

    P 17

    多くの権利から成り立つ著作権(bundle of rights:支分権の束)

    《著作物の複製に関する権利》
    複製権(21条)
    翻案権(27条)
    《著作物の公開に関する権利》
    上演権・演奏権(22条)
    上映権(23条1項)
    公衆送信権(23条2項)
    伝達権(23条2項)
    口述権(24条)
    美術的著作物などの展示権(25条)
    《複製物の流通に関する権利》
    頒布権(26条。映画著作物についてのみ)
    譲渡権(26条2項)
    貸与権(26条の3。映画著作物を除く)

    P 25

    著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)

    著作者人格権とは、著作者が自己の著作物に対してゆうする人格的・精神的利益を保護し、著作者としての地位から生じる権利です。具体的には、著作権法には著作人格権として、公表権(18条)、氏名表示権(19条)、同一性保持権(20条)が規定されています。

    P 26

    世界初の著作権法は、イギリス

    1709年に制定されたアン法(Statute of Anne)で、著作者の権利を明文化した点からも諸外国に大きな影響を与えるものでした。

    P 28

    日本の著作権法の始まり

    わが国における著作権法の始まりは意外に早く、明治2年(1869)の取締法規としての出版条例です。

    P 28

    著作物性の要件:表現性、創作性、学術性

    著作権法は著作物について「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義しています(2条1項1号)。

    P 30

    広義の著作権:著作者人格権、著作財産権

    著作者人格権はその性質上「著作者の一身に専属」する(59条)ものですが、著作財産権の譲渡は契約や相続によって可能です(61条1項)。

    P 52

    公衆送信権(23条)

    著作者はその著作物について、公衆送信を行う権利、送信可能化する権利、およびその公衆送信される著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を独占します(23条)。

    P 62

    公衆送信権の対象になるもの

    公衆送信=放送、有線放送、自動公衆送信
    自動公衆送信=公衆の求めに応じて自動的に行うもの
    送信可能化行為=ネットワーク上にあるサーバへのアップロード行為

    P 63

    著作者人格権;同一性保持権(20条)

    「著作者は、その著作物及びその題名の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変をうけないものとする」(20条1項)。よって、他人が無断でこれらの改変を行なった場合、同一性保持権の侵害となります。

    P 71

    著作権保護期間は原則、著作者の死後50年、映画は公表後70年

    ただし、これは実名で公表された著作物に関してであり、無名または変名(雅号、略称など)の著作物に関する著作権の保護期間は公表後50年とされています(52条1項)。複数の者が創作にかかわった共同著作物の場合には、最後に死亡した著作者の死後50年館存続します(51条2項)。

    P 76

    著作権法の目的

    1.  著作者等の権利の保護
    2. 文化の発展に寄与

    P 79

    私的録音録画補償金制度(30条2項)

    一般の個人が複製を行うたびに保証金を払うのは現実的ではありませんね。そこで実際には、デジタル方式の録音・録画機器(ハードウェア)や、記録媒体(メディア)を購入する際に、これらの商品に上乗せされた価格を支払うことで補償金が支払われています(104条の2~10)。

    P 82

    公表された著作物の引用利用

    ただし、その条件として、(1)「公正な慣行に合致」し、かつ、(2)「報道、批評、研究その他の引用目的上正当な範囲内」で行われなければなりません(32条1項)。
    また、自由引用が許されるには、(3)その引用に使われた著作物の出所が明示されていることも条件です(48条1項)。この出所表示義務に違反して引用した場合には、刑事罰の適用があるので注意が必要です(122条)。

    P 84

    自由引用の要件

    1. 公正な慣行に合致(引用の必然性)
    2. 引用目的上正当な範囲内
      (ⅰ)主従関係は明らかか
      (ⅱ)明瞭に区分されているか
    3. 出所の明示

    P 85

    日本の著作権法で保護される著作物

    1. 日本国民の著作物
    2. 最初に日本国内において発行された著作物
    3. 条約により日本が保護の義務を負う著作物

    P 94

    商業レコードの二次使用と実演家の生演奏の機会損失

    放送業者または放送事業者が実演の過去に録音されている商業用レコードを用いて放送または有線放送を行なった場合、実演家は実演団体を通して、放送事業者に対して西使用料の支払いを求めることができます(95条1項)。実演団体とは現在唯一文化庁長官指定団体として承認されている、日本芸能実演家団体協議会を指します。

    P 102

    出版権者の義務

    1. 自己の計算において著作物を複製、頒布する義務
    2. 原稿引渡しから6ヵ月以内に出版する義務(81条1項)
    3. 慣行に従い継続して出版する義務(同2項)
    4. 重版を発行する際にはその通知を著作者に行う義務(82条2項) 

    P 118

    類似の程度:依拠性の証明

    この依拠性の証明を簡単にするため、トラップ(罠)が仕掛けられる場合もあります。たとえば、地図などに現実には存在しない建物などをあえて載せておくことなどです。

    P 124

    著作権侵害への対抗手段

    1. 差止め請求権(112条)
    2. 名誉回復請求権(115条)
    3. 不当利益返還請求権(民法703条)
    4. 損害賠償請求権(114条、民法709条)

    P 129

    悪質な場合には119条以下で刑事罰の規定も

    著作権法違反で警察又は検察に逮捕・起訴されることもあります。「三年以下の懲役又は300万円以下の罰金」(119条)が科され、その罰則も年々強化される傾向にあります。

    P 130

    知的財産権保護に関する国際的調和

    知的財産権保護に関する国際機関として、世界知的所有権機関(WIPO;World Intellectual Property Organization)があります。WIPOは本部をジュネーブに置く国連ファミリーの一員で、知的財産権に関する条約締結や改正、各国の法律の調整などを行います。

    P 136

    ベルヌ条約(1886年):「内国民待遇原則」

    ベルヌ条約では「内国民待遇原則」が確立され、また、各国が国内法で著作権法の保護範囲の最低基準を規定するなど、その解決策がはかられました。内国民待遇原則とは、加盟国は著作権の保護に関して自国民に与える保護と同等の待遇(保護)を、他の加盟国の国民に対して与えなければならないとする原則です。

    P 139

    万国著作権条約(1952年):コピーライト表示「©・(C)」

    この条約の最大の特徴は©(C)表示の採用でした。©(C)はCopyrightのCからきています。すべての複製物に©(C)マークを表示することで、方式主義の国の登録要件などを満たしものと扱うことにしたのです。

    P 140

    TRIPS協定:Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights

    WTOルールのいち部分を公正するもので、正式名称を「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights)といいます。実体的保護のレベルを引き上げるべく、新しい権利の創設も行なっています。

    P 142

    海賊版の輸入:知的財産権侵害商品の不正輸入

    関税法定率法では、輸入禁制品として、「特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又は回路配置利用権を侵害する物品」を定めています(21条1項5号)。

    P 144

    著作権を侵害する物品を輸入した者への措置

    1. 税関長による処分(21条2項)
    2. 罰則(関税法109条)

    P 144
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    Author:bookback
    1981年東京生まれ。静岡育ち。

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