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    マルチメディアと著作権


    中山 信弘 NAKAYAMA Nobuhiro     法学者:専門は知的財産法、弁護士
    1945年 静岡県浜松市生まれ
    1968年 司法試験第二次試験合格
    1969年 東京大学法学部卒業。東京大学法学部助手
    1973年 東京大学法学部助教授
    1984年 東京大学法学部教授
    1991年 東京大学大学院法学政治学研究科教授
    2001年 東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスローセンター教授
    2006年 東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・比較法政研究センター教授
    2008年 東京大学退職、弁護士登録(第一東京弁護士会所属)
    2008年 西村あさひ法律事務所顧問、酒井国際特許事務所最高顧問
    2008年 東京大学名誉教授
    2009年 明治大学研究・知財戦略機構特任教授
    2012年 紫綬褒章受章
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    著作権法による「制作」と「製作」の違い

    著作権法では現実に創作的な行為をなすことを「制作」と呼び、映画会社のように創作的な行為をマネージすることを「製作」と呼ぶ。

    P i (「はじめに」の部分)

    知的財産と法

    知的財産とは、不当な模倣からママられている情報である。具体的には人の知的・精神的な創作活動の成果である創作物(たとえば発明や著作物)と営業上の信用を化体した営業標識(たとえば商標や商号)等の総称であり、それらを保護する諸法が「知的財産法」あるいは「無体財産法」と呼ばれている。

    P 2

    知的財産法とは、関連した法律の総称

    なお、知的財産法といっても、「民法」や「商法」のうようにその名を冠した法律が存在するわけではなく、これは行政法のように、幾つかの同種の法律を束ねた総称にすぎない。

    P 4

    知的財産と所有権

    「所有権」とは「物」についての絶対的な支配権原であるが、知的財産は無体の財貨であって「物」ではないため、その上の所有権ということは民法上ありえない(「権原」とは、ある行為をなすことを正当とする法律上の原因を指す)。

    P 19

    著作権は支分権の集まり

    著作権とは、所有権のような単一の権利ではなく、図-2のように複製権等の支分権の束として構成されている(21条以下)。

    P 30

    著作者の構成

    著作者の権利

    ◯著作権(財産権)
    複製権(21条)
    上演権・演奏権(22条)
    放送権・有線送信権等(23条)
    口述権(24条)
    展示権(25条)
    上映権・頒布権(26条)
    貸与権(26条の2)
    翻訳権・翻案権等(27条)
    二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)

    ◯著作者人格権
    公表権(18条)
    氏名表示権(19条)
    同一性保持権(20条)

    P 30 図-2

    原著作者と翻案者の権利

    ちなみに、翻案においては、原著作物を改変する際に創作的行為が介在するため、翻案物(二次的著作物)について翻案者の新たな著作権が発生する。つまり二次的著作物には、原著作者と翻案者が、重畳的に権利を有することになる。それは、原著作者と翻案者との共有ではなく、両者が翻案物についてお互いに独立の権利を有するという関係であり、両者は別個に取引の対象となるし、また権利の始期も終期も別々となる。

    P 50

    著作権は50年、特許権は20年の保護期間

    著作物は個性こそが重要であり、模倣だけが違法となり、かつ模倣の必然性が低いので、たとえ権利の存続期間が長くとも弊害は少ない。そこで、著作者の死後50年の長きにわたって著作権は存続するとされている。これに対して技術保護法である特許法では、結果的に同一であれば侵害となり、絶対的な独占権であるという点でより強力な権利である上、優秀な技術をいつまでも独占させておくことはかえって産業発達を阻害するおそれもあるので、保護期間もより短く設定されており、特許出願から20年とされている。

    P 51

    知的財産法:情報の開発や創作へのインセンティブを保護するための法

    そこで、著作権法をはじめとする知的財産法は、情報の利用に独占権を与えることにしたのである。つまり、公共財としての情報を私的財に変える方が知的財産法であるということができる。

    P 60

    プラーゲ旋風とは

    昭和6(1931)年に突如ドイツ人ヴィルヘルム・プラーゲ(Wilhelm Plage)という人物が現れ、ヨーロッパ(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア)の著作権管理団体の代理人として、無断利用者を相手に差止や損害賠償を求め、かつ刑事告訴も行った。そのために、わが国の音楽界は大混乱に陥り、放送(当時は日本放送協会のみが存在していた)から洋楽が消え、オペラの公演は中止になり、関係者は警察で取調べを受けた。これが世に言う「プラーゲ旋風」である。

    P 65

    情報化時代の著作権法制の課題

    情報化時代においては情報の財として価値が増大し、それに従って情報の法的保護への要求は強まる。しかし、あまりに強い権利を認めると情報の流通が途中で途切れ、情報流通への阻害要因となる。この二つのモメントの調和を図るということが、今後の著作権法制にとっては、極めて重要な課題となろう。

    P 180
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    Author:bookback
    1981年東京生まれ。静岡育ち。

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