FC2ブログ
    1. » 知的創造のヒント

    2.            

    知的創造のヒント


    外山滋比古 TOYAMA Shigehiko 英語英文学専攻 大学教授
    1923年 愛知県生まれ
    1947年 東京文理科大学英文科卒業

    東京高等師範学校附属中学(現・筑波大学付属中・高校)教諭
    雑誌『英語青年』編集
    東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授を歴任。
    スポンサーサイト



    卒啄の機(そったくのき)

    得がたい好機の意味で使われる。比喩であって、もとは、親鶏が孵化しようとしている卵を外からつついてやる。それと卵の中から殻を破ろうとするのとが、ぴったり呼吸の合うことをいったもののようである。

    P 8

    歩くことが目的の哲学の小径

    古来、ものを考える人が散策をし逍遥をするのは偶然ではない。京都の西郊、鹿ヶ谷には、哲学の小径というのがある。学者たちが思索をしながら歩いた道としてはすこし足場がわるいし、このごろはひどく荒れたという人もあるが、歩きながら考えるよりも、歩くこと自体に意味がある。

    P 25

    頭を空っぽのような状態にする

    散歩の極地はこの空白の心理に達することにある。心は白紙状態(タブララサ)、文字を消してある黒板のようになる。思考が始まるのはそれからである。自由な考えが生まれるには、じゃまがあってはいけない。不要なものを排除してかかる。散歩はそのためにもっとも適しているようだ。

    P 26

    集中のための環境

    それですこしじゃまを入れておいた方がかえって集中しやすい。製氷するとき水中の気泡を抜かないと、氷が白く濁る。気泡を抜く必要があるが、そのためには水の中へ逆に空気を送り込む。そうすると、小気泡が空気に吸いとられて透明な氷になる。ながら族のラジオにもいくらかそれに似た作用がある。

    P 27

    読書時の注意点

    それがグライダー効果であることに気付かず、読書によって簡便に自己改造ができるように思い込む読者にとって、読書はしばしばきわめて有害なものになりうる。それは、古来、先人が警告している通りである。

    P 34

    アナロジーの思考

    アメリカの哲学者スーザン・ランガーは『新基調の哲学』で次のようにのべている。「哲学的思考は、まず、不完全な、しかし、熱烈な新しい概念から出発し、しだいに厳密な理解が得られるようになり、やがて最後に、言語が論理的洞察に及ぶようになる。そこで比喩がすてられ、文字通りの記述がこれに代わる。真に新しい着想は、それまでに用いられている言語では名称がないのだから、最初はつねに比喩的記述を借りなくてはならない」

    P 45

    本当のこと

    ほかの人がどう思ってもしかたがない。神と自分だけが本当のことを知っていれば、それでたくさんだと思った。

    P 113

    途中で止める、という読書方法

    中絶読書は、読み切らないで、おもしろくなりそうなところで、つまり、スピードが出たところで、本から離れ、底に生じる慣性を利して自分の考えを浮かび上がらせようとすることにほかならない。芸術作品なら全部を読み通したうえでの余韻でなくては困るが、知的な文章では最後まで付き合っては、あまりに多く影響を受けすぎることになっておもしろくない場合もある。本はきっかけになればよいし、走り出させてくれればそれでりっぱな働きをしたことになる、そういう読書もある。

    P 117

    書くタイミング

    おもしろいと思ったら、そとのときに書いてしまうのがいちばんいい。温めておくつもりでのばしておくと、さめたスープのようになってしまう。そういう点に気付くと、原稿は注文されたときに、まず大体のことを書いてしまうというのがいちばん楽に仕事が出来る方法だとされる。

    P 125

    ノートの効果と経済

    なるべく少なく、少なく、と心掛けてノートをとるのがノートの知恵である。それがわかっていないためたいへんな労力を無駄にする。

    P 168

    見た目、形而下、も重んじる

    そんな外見などどうでもよいではないか、というのは人の心を知らないものの言葉である。形而下のことが案外バカにならない重要性をもつ。

    P 171

    同じノートを使い続ける

    迷信かもしれないが、とにかく、同じノートを使うことがノートづくりの秘訣のように思われる。

    P 173

    ノートにまとめる時の自然淘汰

    長い文章を全部書くのは厄介だから要点だけ摘記するようになる。ノートにはこういう労力節約の原理が働いて、何でもかんでも記録することを抑えている。それが表現の自然淘汰において重要な役割を果すことを忘れてはならない。

    P 178
    Amazon Prime



    title
    tag

    推薦図書 表紙 link デジタルコレクション 便利ツール YouTube 

    Ad



    プロフィール

    bookback

    Author:bookback
    1981年東京生まれ。静岡育ち。

    訪問者数