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    「人間らしさ」の構造


    渡部昇一 WATANABE Shoichi  英語学者

    1930年 山形県鶴岡市、生まれ
    1949年 上智大学文学部英文科、入学
    1953年 上智大学文学部英文科、卒業
    1953年 上智大学大学院西洋文化研究科、入学
    1955年 上智大学大学院西洋文化研究科、修士過程卒業
    1955年 上智大学大学院西洋文化研究科、助手任命
    1955年 ドイツ・ミュンスター大学留学
    1958年 ドイツ・ミュンスター大学留学よりDr.Phil(哲学博士号)を受ける。

    イギリス・オックスフォード大学ジーザス・カレッジ寄託研究生となる。
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    個人の意識以外に人間を考える基盤はない

    「自分の外には、頼るべき、すなわち適応すべき価値体系はない。したがって自分の心の内に価値を作り出そう」ということがそれである。

    P 33

    機能と快感

    潜在する機能が用いられると鋭い喜びを与えるのが常である。

    つまり人間の潜在的能力は使われることを要求しているのだ。そしてその要求が満たされると快感が生ずる。

    P 56

    機能快:フンクチオンス・ルスト

    内なる声に耳をかたむけてそれに従うこと、また心の底でうずく欲求は、それがとりもなおさず自分の可能性であると信じて、それをたいせつにすることが結局生きがいに通ずることだという考え方は、ドイツの心理学者カール・ビューラーの<機能快フンクチオンス・ルスト>という考え方にも通ずると思う。

    P 59
    <備考・参照>

    他人の目からの独立と自分の生きがい

    しかし他人の目からは、おそらくずいぶんくだらない生活をしているように見えるかもしれない。

    しかし<他人の目>によって自分の生活の質を判断しないのが、生きがいある人の特徴であるといいきる自信がいまの私にはある。

    P 112

    マズロー著:『人間性の心理学』

    価値の基準を自分の中において、それに向かって進んでいる人、つまり生きがい追求型、自己実現型の人間はどのように見えるかについて、マズローのおもしろい観察(『動機と人格』邦訳『人間性の心理学』)がある

    P 123
    <備考・参照>

    責めない心と良寛の歌

    首ヲ廻ラセバ五十有余年
    人間ノ是非ハ一夢ノ中
    山房五月 黄梅ノ雨
    半夜 蕭蕭トシテ虚窓ニ灑グ

    これは五月頃の雨を、五十をこえた良寛が(当時の平均寿命をはるかにこえる)、夜中に山の中の庵でじっと耳をすまして聞きながら人生を考えているのである。梅雨時の雨に文句など言っていないのだ。

    P 124

    受身形でわれわれの生命が始まったこと省察する

    「もっともよきものは与えられる」という聖トーマスの認識論の出発点は正しいといわねばならない。「何でも努力で獲得したものは尊い」というのは前にもいったように近代的傲慢であり、また迷信である。

    夜空の星、富士山の御来迎――この自然の美しさや荘厳さをだれが作ったというのか。それは作られるのではない。われわれの心が受けるのである。

    P 162

    「かるさ」と作品

    現在言語学の総体を扱ったもので古典的名著として万人が推すサピアの『言語』という本は、著者が鼻唄まじりで数週間で書き上げたものだ。小むずかしい言語学の本の中の異色であるが、著者の力がずばぬけていて、これほどわかりやすい本はちょっとない。

    P 175
    <備考・参照>

    怠惰に飽きるが、仕事には飽きない

    人間の本性を考えてみると、人はその潜在力を実現する場合に、仕事を通じて実現したがるようにできているのではないか、と思われることがよくある。スイスの哲人カール・ヒルティは、人間は怠惰にはすぐに飽きるが、仕事には終生飽きない、という事実を指摘している。

    P 183

    善いものを、さらにより善く

    教育はおさえるのではない。本来の性質をさらに高次のものに引き上げるものという考え方であるが、これはすぐれて現代的な意味にがあると思う。

    孔子は性善説をとりながらも、あるがままに放置された人間性では十分としない。性善なるものも、さらに手を入れる必要があること、さらによくする可能性を示すのである。

    抜粋 P 193

    価値の物差しを心の内側に置く

    アウレリウス帝の『瞑想録』はストア哲学の真髄を示した文献として重んぜられているが、この頃これを読み返して気づくことは、徹底的に心の内側のことを問題にしていることである。

    P 206
    <備考・参照>

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    Author:bookback
    1981年東京生まれ。静岡育ち。

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